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第24回 白山信仰と袋井12 袋井・浅羽からの白山巡礼

 

四国八十八ヶ所巡礼、西国三十三ヶ所巡礼という特定の霊場を廻り、順番に礼拝する信仰が室町時代に成立し、今も盛んに行われていることは、多くの人が知っていることでしょう。


しかし、日本最大の巡礼道が袋井を通っていたことを知る人は、まず、いないはず。それは立山・白山・冨士山の三山を廻り、中日本を1周する、全行程約332里(1300キロメートル)の「三山禅定(さんざんぜんじょう)」というものでした。禅定とは山岳修行を指します。


袋井からは東海道を西に進み、美濃国に入ってからは、刃物で有名な関あたりから長良川沿いに、郡上市白鳥町に出る経路で、このルートは現在の東海北陸道と、ほぼ同じものです。


そして、美濃馬場(みのばんば)と呼ばれる宗教都市、長滝寺の山門に着きます。長滝寺については、このシリーズで何度か紹介してきましたね(第13から17回)。


ここまでの行程は、個人が勝手に旅をするのではなく、江戸時代初めの頃は長滝寺に所属する白山先達(はくさんせんだつ)と呼ばれる修験者が案内役を務めて導きました。

山門からの道案内は、次回にしましょう。(山)