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第19回 白山信仰と袋井7 赤尾山の白山神2

 

寺院には、仏法を守護するための鎮守神(ちんじゅがみ)というものが祀られています。これには、宗派そのものを守護する神々、寺院の境内(伽藍(がらん といいます))を守護する伽藍神、もともとその土地に祀られていた神々を寺院建立後にも祀った地主神(じぬしがみ)など多様な内容があります。


法多山を中心として小笠山西麓に置かれた真言寺院群(赤尾山長楽寺・篠ヶ谷山岩松寺)は全て白山権現を鎮守として祀ります。


赤尾渋垂郡辺神社(あかおしぶたれこうりべじんじゃ)の場所に明治初期まであった、赤尾山長楽寺(あかおさんちょうらくじ)の鎮守神 白山権現を祀った建築物が今も残っています。神社境内に上がる石段を登った右側の小高い丘の、摂社(せっしゃ)(本社とは別にその神社の管理下にある小社)白山神社がそれで、その本殿として使われているのが、もと、白山権現の宮殿(くうでん)です。宮殿とは、仏像や祖師像を納める厨子で、ここには白山権現の中心、大御前神(おおごぜんしん)が仏の姿で顕れた、十一面聖観音像が納められていたわけです。


この宮殿は天正16(1588)年2月18日に法要を行い、納められたことがわかっており、袋井市指定文化財となっています。神と仏がごちゃごちゃになってわかりにくい?それが、明治以前の実態でした。(山)