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第16回 白山信仰と袋井4 白山神への献供菓子

 

白山長滝寺(現在は白山長滝神社)の延年に際して、山の神である白山神に供えられる菓子があり、これは酒宴における酒の肴を顕わします。


台の上に四隅と北・南・東に各3個ずつ21個の丸餅を置き、その内側に串柿を並べ、一面に、三升のはぜ米を敷き詰めます。この中には煎大豆・胡桃・栗・干梅という山の幸がたくさん混じっています。


西側には洗米を白山山頂の三つのピーク(大御前峰・大汝峰・別山)になぞらえて盛り上げ、周囲に紙を貼った箱形の「行灯(あんどん)」を被せ、横に、依り代の松を立てます。


神前での神事が終わると「行灯」は外され、菓子は参詣者に振る舞われます。


このような白山神へ献じた菓子は、延年の芸能と共に法多山と中野に伝わり、その名残は中野では十日祭の御供として、白山に見立てた洗米の山に細かくした干柿を混ぜ、頂上に柿と松の枝を添えます。


法多山田遊び祭では、舞を奉納する村方が準備をおこなう、公会堂内に供えられる餅とオシキメシとして今も伝わり、出発に先だち御神酒とこれを口に入れて浄めた後、出発します。(山)