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第14回 白山信仰と袋井2 法多山鎮守のルーツ

 

寺院には、目に見えない異界や霊界から仏法を守護するため、多くの神々が祀られ、これを伽藍神(がらんしん)(伽藍鎮守)と言います。厄除け観音として有名な真言宗 法多山尊永寺(はったさんそんえいじ)も例外ではありません。


毎年1月6日におこなわれる「田遊び祭り(たあそびまつり)」は、伽藍鎮守である白山権現(ごんげん)(権現とは天台密教の思想で、山の神が仏として出現したもの)の神事なのです。


この白山権現は美濃白山中宮長瀧寺(みのはくさんちゅうぐうながたきでら)(岐阜県郡上市白鳥町長滝)から勧請(かんじょう)(神霊を分祀すること)されたもので、長瀧寺と尊永寺は真言ネットワークによって、密接に結びついた寺院で、それは室町時代、15~16世紀のことと考えられます。


長瀧寺の特徴は、本堂が無く、白山五社の社を中心として仏教建築が並び、その中心が大講堂で、そこに山内の宗教者が集まり、話し合いで運営を決める、修験道独特のスタイルでした。(山)