東海道を代表する景観といえば、街道の両側に続く松並木を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
東海道への植栽は幕府が命じ、道中奉行が管理をしていました。その命令は大変厳しく、下草の伐採を怠慢なく行うよう命じたり、枯死した木といえども道中奉行の許可なく勝手に伐採したりすることは許されませんでした。
しかし、明治以後には管理体制が崩れ、伐採や枯死など、なるがままにまかせて、現在では非常に希少なものとなってしまいました。
平成7年に「東海道の松並木を考える会」によって実態調査がおこなわれ、袋井の松並木は、名栗地区から木原地区にかけて残されていましたが、そのほとんどが名栗・上貫名・久津部・新屋に集中し、本数は105本、樹齢は200年前後ということがわかり、中には太さが腰高幹囲で253センチ、直径80センチある立派なものが含まれていました。
袋井の松並木は木とともに土盛りが残っているのが特徴で、路面からの高さがかつては1メートル以上もあり、子供では簡単に登ることができませんでした。(山)