袋井市立図書館
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第22回 白山信仰と袋井10 松原王御前(おうごぜん)神社と白山3

王御前神社に残された元禄13(1700)年の最古の棟札を記したのは真言寺院、赤尾山長楽寺の密教僧でした。

まず表の中心には梵字(ぼんじ)が書かれています(前号の写真参照)。これは種子(しゅし)といい、ひと文字で仏一尊を顕わします。中心に阿弥陀如来を顕わす「キリーク」を記し、その下右には阿弥陀如来の左脇侍(わきじ)となる観音菩薩の種子「サ」、下左には右脇侍となる勢至菩薩の種子「サク」を配置して阿弥陀三尊を顕わします。

中央には「奉建立一宇社等郷内安穏悉地圓満所」と記し、元禄13年に本殿を含めて社殿の建物が新たに建立されたことがわかります。

この記載内容から何が読み取れるのでしょうか?それは、王御前神社が元禄13年に阿弥陀三尊を本地仏(ほんじぶつ)として建立され、その法要を八月吉日(この場合は8月13日の祭礼日)に長楽寺の密教僧を導師として落慶法要を執り行ったということです。

読者は奇異なことに思われるかもしれませんが、明治以前には、こうしたことは普通で、専属の神主が居る神社は、殆どありませんでした。これは、経済力の問題で、神主家が生活できるだけの、土地(朱印地・黒印地)を所有する神社は少なく、多くが祢宜屋(ねぎや・ねんや)とか、鍵取りと言われる、在俗の家で、神主役を世襲でおこない、普段の神社の管理をつとめていました。

大事な法要や祭礼には、真言・天台の密教寺院の僧侶が導師としてお宮に出向き、読経や儀礼をおこないます。王御前神社は、長楽寺の僧侶が出入りする神仏が一体となった神社でした。(山)

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